2016年11月10日木曜日

映画 "セイジ -陸の魚-"。見えすぎると、その先には絶望しかない。

http://img.eiga.k-img.com/images/movie/56119/poster.jpg?1331910000
西島秀俊 主演 、"セイジ -陸の魚-"を観た。

森山未來が演じる学生"僕"が、自転車旅行をする道中で事故をしてしまう。
その事故がきっかけでお世話になることになったドライブイン"HOUSE475"。
そこでの出来事が描かれたお話。



学生である"僕"が、ドライブインでの生活を通して、特にセイジに憧れを抱いていく様子が観ていて懐かしく、ちょっとうらやましい。

こんなにドラマティックな経験は現実には少ないと思うが、少なからず自分が大人になる過程で、憧れの人に出会って、その人からいろいろなことを学んだり、真似てみたり、と。
そうやって自分も"今の自分"になってきたんだろうな。

このまま、青春映画的に話が進めばいいが、後半は少し衝撃的な展開へ。
それでも、エンディングはすっきりしてくれたので良かった。

それにしても、津川雅彦が演じる盲目のおじいさんの言葉が素敵である。(Ray-Banのサングラスも。)

『セイジには物事が見えすぎるんじゃろう。見えすぎると、その先には絶望しかない。
わしらみたいな人間は、ある意味、鈍感だからやっていける。
鈍感さは、絶望を緩和してくれる鎮痛剤なのかもしれん。』

最近はどうなんだろう。
"絶望"が大きく成長しすぎて、"わしらみたいな人間"にも絶望が見えてきてしまっているのではないだろうか。
と、今日も流れる凄惨な事件のニュースを見ながら、思ってしまった。