近頃、洋服についての話題を書くことが多い。
そのつながりもあって今日は、"洋服の買い物"について僕が思うことを書いてみようと思う。
自分が洋服を買う時に大事にしていること。
どんなお店で、どんな人から買うかが大切。
これに尽きるのではないかと。
①まず、"どんなお店で、"という話。
最近は、ネット販売の普及により、さまざまなものが簡単に手に入るようになっている。
海外にしかお店がない洋服屋の商品だって、日本にいながら買うことができるものがほとんどだ。
注文して、あとは届くのを待つだけで手に入るという、とても便利な時代になった。
それでも、僕は気に入ったお店(実店舗)に行って、服を買うことが多い。
どうしてお店に行くことが好きなのか?
その答えは、「その場所の空気感が好きだから。」なんだと思う。
内装や陳列デザイン、におい、音などのさまざまな要素。
そういうのが、混ざりあってお店というイメージが出来上がっている。
その気に入った空間のなかで、買い物をするのことが好きなんだと思う。
おいしい食事を、すてきな場所で食べたいように。
②"どんな人から買うか"という話。
こっちの要素のほうが、もっと大切かもしれない。
どんな人というのは、いわゆるお店で働く人のことである。
優れたそれらの人たちには、以下のような力があると思う。
僕はそういう人たちから、つい買ってしまうことが多い。
■購入を決定するにあたり、不安な部分をさりげなく解決してくれる力。
例えば、気に入ったパンツが見つかったとする。
でも、コーディネートが難しそうだったり、素材が扱いにくそうだったり、値段が少し高かったり、と何かしらの不安要素が同時にうまれることがある。
そんな時に、的確に、さりげなく不安な部分を失くしてくれるような接客。
無理矢理ではなく。
「この素材はこのような手入れをすれば、きれいに保てますよ。」などのアドバイス。
「じゃあ、それなら買ってみよう。」と、背中をうまく押されると、つい購入してしまうことが多い。
■商品に魅力をたしてくれる力。
これも僕にとって、大切な要素。
同じ商品でも、どんな人から買うかによって、まったく違う体験になるものだ。
もちろんブランド背景などの商品知識を豊富に知っていることも大事だと思う。
ただ、それ以上に"洋服が好きなんだ"という情熱をもっている人がする接客はとても魅力的だと。
自分が若い頃に背伸びをして革靴を買った時。
そこのお店の方が、買った靴を磨きながら、その靴の工房を訪れるためにある国に旅行した時の話をしてくれた。
もちろん買った靴をその場で磨いてくれことにも感動した。
ただ、それ以上にその人が話してくれた工房の雰囲気や、働く人のエピソードなどがとてもおもしろかった。
その話を聞き終わった僕は、その靴がもっと素敵に見えて、大切にしていこうと思った。
そういう話を知らずして、その靴をただ買った場合とは、何か感じ方が違うのではないだろうか。
ちょっと長くなってしまったが、
どんなお店で、どんな人から買うか。ということが、やっぱり大切なんだと。
素敵な空間で、憧れる人たちから洋服を買う。
結局は、そんなことをしている自分に満足したいだけなのかもしれない。
ただ、洋服を買うだけでなく、その過程の体験を求めているのかもしれない。
ただただ、洋服addictというやつだろう。
最近、好きな洋服屋の人に、「どんな洋服屋なら行ってみたくなる?」と、聞かれたのでちょっと自分の考えをまとめてみた。