そして、この香水が僕にとって初めてHermès(エルメス)で買い物したアイテムである。
あの頃は、Hermèsに憧れていた。
とは言っても、当時の僕にHermèsの革小物なんて買う勇気もなく、まして所有しても似合わないことは分かりきっていた。
ただ、どうにかしてHermèsの世界に触れたくてなんとなく訪れた渋谷の東急百貨店。
そこの販売員の方が非常に親切で、何も買わなそうな自分にとても丁寧に対応して下さった。
そんな彼の対応もあり、正直にそんなHermèsへの憧れを伝えたところ、香水を勧めてくれた。
何種類か紹介してくれて、個人的に一番気に入ったのが"Voyage d'Hermès"という香水だった。
名前のとおり旅をイメージした香り。
フォーマルな服装はもちろん、カジュアルウェアを着る日に少し背伸びさせてくれるような大人の感じがする香りがとても素敵だった。
言ってしまえば、服装やシーンを選ばず気軽につけられそうだった。
ここ最近、海外に行く機会が増えた。
そんな時にも携帯するこの香水。
旅をイメージしただけあり、ケースのデザインも考えられている。
ガラスの部分が金属のパーツに守られているような形状。
それゆえ、バックパックにも気兼ねなく入れられるのがいい。
ゆかりのない国にいって不安になることもあるが、慣れた香りに触れられると心が落ち着く。
これから先も永くともにしたい香水である。