2017年1月19日木曜日

どうでもいい美術館探訪。


大学生のころから美術館に行くようになった。
最初は、"ちょっとイケてる大人っぽい"ことがしたいという軟派な動機で、友達と京都国立近代美術館に行った。

それ以降、ちょこちょこといろいろな美術館に行くようになった。

社会人になってからは、休みの日に美術館へ行くことが気分転換になっていた。
軟派な動機ではじめた美術館巡りも、気付いたら趣味のひとつに昇格していた。

デンマークに行ってからも、時間を見つけてはいくつか訪れた。
また、近隣国へ旅行するときも、美術館を目当てに都市選びをすることが少なくはない。
経験上、いい美術館がある街は、魅力的に感じることが多いのだ。



みなさんは美術館で作品を見て回るときの姿勢について悩んだりしていませんか?

いきなりで申し訳ないが、僕は結構悩んでいる。
どうもしっくりした鑑賞に適した姿勢が見つからない。

この「鑑賞の姿勢」というものは、「車の運転の姿勢」などと一緒で慣れれば自然と身に付くものだと思っていたが、どうもそうではないらしい。
毎回、美術館に行くたびに、「鑑賞の姿勢」に悩んでしまう。

そんなこともあり、一度、「鑑賞の姿勢」について整理しておこうと思う。
大きく分けると、3種類に分類されることが分かった。(主観)

   後ろで手を組む
いわゆる、きをつけの姿勢のときにやってしまうと、先生に怒られるあの姿勢である。
とくに男性がこの姿勢で鑑賞している人が多い気がする。
小学生のときに、この姿勢をしてよく怒られた男性たちが、大人になって美術館でうっぷんを晴らしているのかもしれない。
個人的にも、この姿勢がしっくりくることが多い。
背筋も伸び、すがすがしい気持ちで鑑賞出来る。
欠点としては、たまにぴょんっと手と手を離してしまい、混雑している美術館だと隣の人に当たりそうになってしまうことである。

   胸の前で腕を組む
この姿勢もよく見かける。
あたかも審査員になったかのような気分に浸れる。
どんなに素晴らしいアーティストに対しても、「俺は俺の価値観で、君の絵を判断するぜ。」的な意気込みで対峙できる気がする。
他人からは、「この人は、絵について詳しいのね。」などと、都合のいいように解釈されることが多いだろう。
たまに片方の手で顎ヒゲでも撫でれば、よりイッチョウマエに思われることは間違いないだろう。

   腰の前で自然に手を重ねる
この姿勢は女性に多いのではないだろうか。
三つの中では、もっとも芸術品に対して中立的な立場で向き合えそうな姿勢。
この姿勢をしつつも、芸術に対して造詣が深い人はまさに、「能ある鷹は。」状態である。
銀髪でショートカット、ウェリントン型の眼鏡をした淑女がこんな姿勢で鑑賞していたら脱帽である。

とりあえず、迷ったらこれらのうちからしっくりくる姿勢をしておけばいい。
①の姿勢に疲れたら、②の姿勢になどと、ローテーションさせていくのもいい。
これらの姿勢は国が変わっても、通用することも分かってきた。

それでも、もっとしっくりくる「鑑賞の姿勢」がある気がする。
「鑑賞の姿勢」を探すための美術館探訪は、まだまだ続きそうだ。

こんなことをしていたら、"ちょっとイケてる大人"なんて、ほど遠いだろう