2016年5月24日火曜日

北野武の本がやっぱり好き。"新しい道徳"を読んでみた。

彼の映画も好きだが、それと同じくらい本も好きである。
独特な視点と言い回しから構成される彼のエッセイは、物事へ対する新しい視点を教えてくれる。
時に過激な表現もあるが、そのあたりもこの人らしくておもしろい。

今回、読んだのは"新しい道徳 「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか"という本。
昨今の"道徳"教育に対して、彼なりの意見が述べられた内容になっている。

とてもスラスラと読める文章で構成されている。
だが、随所に思わず「あぁ、なるほど。」とうなずきたくなるような意見が散りばめられている。

日頃、生活する中で思ったりしていることが、彼の文章の助けを借りてより明確化されていくような気がする。

以下、気になった箇所の一部。
  • 道徳なんて、ほんの少し時間が過ぎただけで、あっさり変わるのだ。
  • 道徳っていうのは、つまり誰が、どんな気持ちで話すかが重要なのだと俺は思う。
  • 夢を追いかけるといえば聞こえはいいけれど、それはつまり輝ける明日のために今日を犠牲にするということだ。ほんとうのことをいえば、人も羨むその「輝ける明日」なんてものは、いつまで経ってもやってこないというのに。人がほんとうに生きられるのは、今という時間しかない。その今を、10年後だか20年後だかの明日のために使ってどうしようというんだろう。昔はそういう人間を、地に足が着いていないといった。
  • なぜ本を読みながら歩いていた二宮金次郎は銅像になって、スマホを片手に歩いている女子高生は目の敵にされるのか。